■■■ がんサバネット通信 第20号 ■■■

NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。本格的に秋らしくなってまいりました。北国からは紅葉の頼りも届きます。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、「がんサバネット通信」第20号は、兵庫県在住の会員、佐野潤一郎さんと佐野敬子さんのエッセイで始まります。佐野さんご夫妻はお二人とも会員、そしてリレーエッセイ初の、ご夫婦共同執筆です!人生の中に「がん」が入ってきたとき、考えることは実に多いですよね。

【目次】—————

1.      リレーエッセイNo.20「夫婦ってなんだろう~がんになって考えてみた」(会員・佐野潤一郎・敬子 )

2.      10/30(土)特別企画「「東北と全国と」 明日開催!

3.      NPOの第1回総会を12/18(土)に開催します

■■ 1. リレーエッセイNo.20 「夫婦ってなんだろう~がんになって考えてみた」 会員佐野潤一郎・敬子 (教員・看護師)

悩みの無い人は、おそらく、いない。経済のこと、仕事のこと、家族のこと、近隣との関係。そんななかで、一番の、そして避けがたい悩みは、生死に関わることだろうと思う。生まれてきた以上、いつかは次の生への旅立ちをするものだと私たちは気づいた。がんは、そのことを気づかせてくれた。わたしたちはたちどまり、そして思った。ふたりで良かった、と。

最初に妻が手術のあとの抗がん剤治療をはじめたとき、夫は見守るだけしかできなかった。寄り添うってどういうことなんだろう。それまで部下や学生に教えてきたはずの「寄り添い」が、本当にわからなくなった。それでも抗がん剤の影響で髪が抜けて気落ちしている妻を見たとき、夫は、出来るだけのことをしようと思った。きっと誰もがそう思うように。夫は髪を剃った。「これから一緒に髪を伸ばしていこうな」。坊主頭を見せる夫に、妻は驚き、笑った。そして、泣いた。

それからしばらくして、今度は夫ががんになった。ふたりして人生の岐路に立った時、こころに浮かんだのは、ああこれでお互いが寄り添えた、という不思議な実感だった。あたりまえのことだが、それで不安が消えることもなければ、悩みが解消することもない。それでも、寄り添えたという実感は、何にもまして苦痛を和らげた。そこからあとは生活や仕事や闘病に押しつぶされそうになりながらも、あのときに確かにこころに抱いた「寄り添えた」という実感の記憶がふたりを支えた。

あきらめかけることもある。もういいやと思うこともある。それでも、あのときに確かにこころに抱いた「寄り添えた」という感覚の限りない安心感を、ふたたび蘇らせようと心を砕くようになった。あきらめかけることもある、もういいやと思うこともある。それでも、あのとき実感を共有した人が隣にいるというだけで、静かに打ち寄せる波の音を聞いているような、そんな気持ちになる。そうしてふたりで生きている。

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※がんサバネット通信のリレーエッセイは、どなたでも寄稿できます。600-800字程度のエッセイを、事務局アドレス contact@jcsurvivorship.net までお送りください。My Favorite Placeやサバイぶらりーへのご投稿とあわせて、お待ちしております!

■■2.  10/30(土)特別企画「東北と全国と~ご縁をつむぐオンライン交流会」 明日開催!

いよいよ明日となりました。すでにお申込みのみなさまには10/27(水)にZoom配信用URLをお送りしましたが、届いておりますでしょうか?ご不明の点は、事務局までお知らせください。

お申込みは、当日正午まで受け付けます。

日時: 10月30日(土) 午後1時半~午後3時15分

会場: Zoomによるオンライン開催(URLは3日前にメールでお知らせします)

ご参加申し込みはこちら↓からどうぞ!

プログラム

第1部 「東北とあなたの大切なエピソード」

会員のみなさまから寄せられた東北にまつわるエピソードのお手紙を、静岡在住の会員・石森恵美さんが読んでくださいます。お手紙の主の会員さんにインタビューし、チャットによる

ご質問も受け付けます。

お手紙 ①「岩手の叔父さん」、②「弘前城の桜」、③「東北と私」、④「時の海―東北」~アートプロジェクトのお話

第2部 オリジナル動画「智絵サンハ畑二居リマス~育み育まれる同じいのち」と座談会

明日は、取材にご協力くださった会員・高橋智絵さんと夫の栄喜さんも参加されます。動画をみたあと、取材に伺った関係者もまじえて座談会。チャットからのご質問も受け付けます。

■■3.  NPOの第1回総会を12/18(土)に開催します

2020年10月23日に誕生したNPOがんサバネットは、おかげさまで、無事設立1周年を迎えました。この1年間(活動年度は10月~9月)の活動や会計を振り返り、次年度の活動予定を審議する第1回総会を12月18日に開催するはこびとなりました。総会資料は12月上旬に郵送で入会申込時にご記載いただいたご住所にお送りいたします。

コロナ禍の状況を鑑み、総会会場への参集は最小限として、Zoomによるオンライン参加を導入しますが、極力事前の「書面表決」または「委任状」での表決にご協力お願いします。詳細は改めてご連絡申し上げます。

以上です。今後ともNPO法人がんサバイバーシップネットワークをよろしくお願いいたします。

【配信元】—————————–

※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)

NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク

公式サイト https://jcsurvivorship.net/

問い合わせ先  contact@jcsurvivorship.net

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