NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。今日の事務局上空は、気持ちのよい秋晴れです。いかがお過ごしでしょうか?

さて、がんサバネット通信第62号は、岩手県盛岡市で書店業務を通じた就労支援を行っている株式会社盛岡書房の高舘さんのエッセーから始まります。高舘さんとがんサバネットのご縁は、がんサバネット誕生前にさかのぼります。NPOの活動イメージを思案していた代表理事(になる前)の高橋さんは、とあるイベントで高舘さんに出会い、「いいアイデアが浮かんだら、どんどん人に話して意見を聴くといいよ!」と明るく背中を押してもらったことが忘れられないそうです。

高舘さんの盛岡書房では、地元の書店などと手を組み、古本販売代金を原資として「新しい一冊」を大学病院小児科無菌病棟の本棚に贈る活動をなさっています。今日もさいごまでお読みください。

【目次】—————

1. リレーエッセイ「象と花が生み出したつながり」高舘美保子

2. 令和4年度総会を12月2日に開催します

3. 代表理事からメッセージです~秋田・佐々木さんのこと

■■ 1. リレーエッセイ「象と花が生み出したつながり」高舘美保子

まだまだ暑さが残る9月のはじめ、ある女性からお礼を言いたいと連絡をもらいました。その方は、コロナ禍での子供の付き添い入院のなか、さまざまな治療に加え、外の世界と接触する機会の少なさに、親子で不安な毎日を送っていたとのこと。

そんな中『象と花プロジェクト』が、地域の企業や個人が寄付してくれた本を販売した売上から、病気で入院中の子供たちに新しい本をプレゼントしてくれていることを知ったそうです。

「知らない誰かが応援していてくれる。」

「知らない誰かと繋がっている。」

孤立して不安を抱えていた心が、随分励まされたと話してくれました。

残念なことに令和4年3月に4歳の息子さんは亡くなってしまいました。

「亡くなってから1年半の間、悲しみと思い出は消えることなくたくさん残っています。でも私は『こどもホスピス』を岩手に作ることを目標に活動を始めることにしました。岩手には子供たちのために関わってくれる人がたくさんいるはずです。それは『象と花プロジェクト』で証明されたように思います。」

私たちが励まされた熱く強い言葉でした。

最後の言葉は「おかあさん」

「何度も何度もこれがいい!とリクエストされ読み聞かせをしたことが、本と私たち親子の二つの物語になっています。」

絵本を重ねたベッドの上で、Vサインをしている笑顔の男の子の写真を、私たちはこれから先も大切に大切に心に刻んでいこうと思いました。

毎日を病院で過ごしている小児がん等長期療養中の子供たちは、さまざまな体験の機会を得ることが難しくなります。ここ数年のコロナ禍においては、家族を含めた人との交流や体験が普段以上に厳しいものとなりました。

『象と花プロジェクト』はそんな子供たちに本を贈る活動をしています。

子供が同じ本を何度も読んでとせがむのは、本との出会いと本の中での体験を楽しんでいるからです。地域の皆さんとの『象の群れ』をどんどん広げ、子供たちの本との出会いと体験の機会を長く提供し続けていこうと思います。

株式会社盛岡書房

代表取締役 高舘美保子

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※象と花プロジェクト https://zoutohana.com/

※がんサバネット通信のリレーエッセイは、どなたでも寄稿できます。600-800字程度のエッセイを、事務局 contact@jcurvivorship.net までお送りください。字数の少ない自己紹介も大歓迎です。お待ちしております!

■■ 2. 令和4年度総会を12月2日に開催します

令和4年度(令和4年10月~令和5年9月)の総会を、12月2日(土)午後1時半からオンライン開催します。総会に続いて、今年度の活動を振り返り、来年度について話し合う交流会もあわせて持つ予定です。総会資料は11月半ばにご登録住所あてに郵送いたします。総会出欠票などを同封しますので、ご返信よろしくお願いいたします。

■■ 3. 代表理事からメッセージです~秋田・佐々木さんのこと

みなさま、代表理事の高橋です。いかがお過ごしでしょうか。

今日は、昨年7月にがんサバネット農作業体験会で大変お世話になりました秋田県大仙市「百笑村」の農家・佐々木義実(ささきよしみ)さんのことでお知らせがあります。昨年の1泊2日の農作業体験会は、佐々木さんご一家のあたたかいおもてなしのお蔭で、こころに残る時間となりました。佐々木さんご自身もがん経験者で、ご家族も交えて治療や療養のことなどを語り合ったことが懐かしく思い出されます。

その佐々木さんが丹精込めて整えてこられた先祖代々の田んぼが、今年7月の秋田豪雨で大きな被害を受けました。冠水、そして土砂崩れ。写真を見て、私も言葉を失いました。さらに、今年は猛暑と大干ばつが続きました。一体どうなるかと思ったのですが・・・佐々木さん、無事収穫にこぎつけました。しかも9月24日には稲刈り体験会を開き、多くの参加者がかけつけたそうです。

私は毎年佐々木さんが育てたお米を注文し、美味しくいただいてきました。私にできる応援は・・・と考えたとき、やはりまずは今年も注文しようと思い、先日新米を受け取ったところです。お米のおまけに大きな栗の実が20個ついてきました。

私たちの人生、本当に思いがけないことが起きますよね。それでも日々は続きます。佐々木さんからご連絡を頂くたびに、私のほうが力を与えて頂いています。

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※2022農作業体験会の記録 https://jcsurvivorship.net/archives/3037

※会員のみなさまで佐々木さんのお米を購入ご希望の方がおられましたら、事務局までお知らせください。

【配信元】—————————–

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