事務局でございます。寒暖差が大きくて、からだがついていかない感じですね。くれぐれもご自愛ください。
さて、今回の通信は兵庫県在住の会員・佐野潤一郎さんのエッセイ「常念を見よ」から始まります。某登山雑誌には「松本平の西に連なるのが常念山脈。南北に続く穏やかな起伏の少ない稜線の中で、ひときわ目をひくピラミッド型の山が常念岳」とあります。
そのほか、9月7日の「旅路」イベントのご感想、11月4日の秋田セミナーや11月30日総会のお知らせ、10月(16日、本日です!)のお鍋のじかんのご案内があります。どうぞさいごまでお読みください。
【目次】—————
1. リレーエッセイ「常念を見よ」 会員・佐野潤一郎
2. 第4回総会のお知らせ(11月30日)
3. 会費納入の御礼
4. 9/7ハイブリッドイベント「がんと向き合ってきた日々~私の旅路を振り返る」感想文
5. 11月4日両立支援セミナー in 秋田 の準備進行中!
6. 10月のお鍋のじかん(10月16日)
■■ 1. リレーエッセイ 「常念を見よ」 会員・佐野潤一郎
四年間の闘病の末に、実に満足そうな笑顔で逝った妻は、がん治療がひと区切りつくごとに、北アルプスに行きたいとねだった。なかでも、安曇野から見える常念岳が大好きで、安曇野をはさんで向かいに聳える光城山の展望台から見る北アルプスの連峰と、威風堂々とした常念岳が一番だと言っていた。
深田久弥の名作『日本百名山』の常念岳の項に、評論家臼井吉見氏の小学生時代の校長先生の言葉として「常念を見よ」と言ったとある。妻はこの「常念を見よ」という言葉に何かを感じていたらしく、その後も常念岳がみえるたびに、車の助手席でこの言葉を呟いていた。
「常念を見よ」と言った校長先生とは、堀金小学校の校長だった佐藤嘉市氏のこと。常念岳の気高さを自らの教育理念の中心に据え、毎朝の朝会で「常念を見よ」と児童生徒に呼び掛けていたという。そのため「常念校長」と呼ばれ「常念山人」と自称したことが伝えられている。佐藤校長が、教育という崇高な仕事の中心に高潔な人格を感じさせる山を置いたことに、妻は惹かれたのだと思う。妻は看護管理者として医療人の価値観を「ひとに寄り添う」方向に変えるには、人格にまで及ぶ深い教育が必要だと考えていた。
戦前の教育者、牧口常三郎は著書『人生地理学』のなかで「山は人情を和らげ、人心を啓発する天師」と人格形成における山の重要性を説いた。私が高校時代に愛読していた吉川英治の『宮本武蔵』には、「あれになろう、これに成ろうと焦心(あせ)るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ」とあるのを、何度か妻に話したこともあった。
がんを通して、「ひとに寄り添う看護」を見つめなおしていた妻には、常念岳の崇高な人格と対話したい、という思いがあったのだろう。妻はそうした対話ができる相手として私に常念岳を遺して行ってくれた。これからも私は妻を思うたびに、常念と対話するだろう。「常念を見よ」と自分を鼓舞しながら。
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【事務局より】 4月に4つのエッセイをお寄せくださった佐野さんのシリーズ、今回で一旦完結です。佐野さん、ぜひ次のご寄稿をお待ちしていますね。がんサバネット通信ではみなさまのエッセイをお待ちしています。600-800字程度のエッセイを、いつでも事務局までお送りください。お読みになったご感想もお寄せいただければ、寄稿者の方にお届けします。
■■ 2. 第4回総会開催のお知らせ(11月30日)
令和5年度(令和5年10月~令和6年9月)の総会を、11月30日(土)に開催します。
総会日時 11月30日(土)13:30-14:30
Zoom(URLは後日号外でお知らせします。)によるオンライン開催を基本としますが、どうしても会場でのご参加をご希望の方は事務局までお知らせください
また、今年も総会終了後に1時間程度のオンライン交流会を開催いたします。昨年度の活動を振り返るとともに、今年度について話し合いましょう。ぜひご参加ください。
総会資料は11月半ばに登録ご住所あてに郵送いたします。総会出欠票などを同封しますので、ご返信よろしくお願いいたします。
■■ 3. 会費納入の御礼
がんサバネットの活動はみなさまの会費で支えられています。昨年度の会費について、会員全体の9割近くの方々からご納入いただきました。誠にありがとうございました。(未納の方には改めてご連絡いたします。) 本NPOの会計年度は10月から9月で、新年度=令和6年度は今月から来年9月となります。今年度の会費は期間中いつでも受け付けております。
年会費
個人正会員, 団体正会員3,000円
個人賛助会員 一口7000円
【ゆうちょ銀行(ゆうちょ銀行から振り込む場合)】 口座記号番号 00130-6-293688
• 口座名義 トクヒ)ニホンガンサバイバーシップネットワーク
【ゆうちょ銀行(他金融機関から振り込む際)】
• 金融機関コード 9900
• 店名 〇一九(読み ゼロイチキュウ)
• 店番 019
• 預金種目 当座
• 口座番号 0293688
• 口座名義 トクヒ)ニホンガンサバイバーシップネットワーク
■■ 4. 9/7ハイブリッドイベント「がんと向き合ってきた日々~私の旅路を振り返る」への感想
9/17の「旅路」イベントに、個人賛助会員の辻田よね子さん(東京)から感想文が届きました。辻田さんの了承を得て掲載します。
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9月のお鍋の会で、お勧めしてもらったお蔭で拝聴できました。
確かにとても良かったです!ありがとうございました。
みなさんの旅路からの言葉のそれぞれが、心に入ってきました。
反芻したくなる言葉ですね。
みなさんの言葉を受け取れるのは、多少なりとも私自身が色々なことを経験し、人生を重ね、その有難さがわかるようになってきたのかなと思ったりしました。
この同じ空のどこかで日々を大切に暮らしていらっしゃるみなさんのことが想像できたりするのは、世の中がより心通い合ったものになったようで嬉しいです。
となると、改めて「自分にできることを心をこめて少しずつ」のアート活動をがんばりたいと思います。もし良かったら、ブログ「辻やのか 風のたより」をどうぞご覧ください。時々ですが、アートのことも書いています。
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【事務局より】
辻田さんのブログはこちら https://blog.goo.ne.jp/yanoka-ippo/m/202409
「旅路」イベントの編集動画は会員限定ページでご覧になれます。
過去の動画が視聴できる会員限定ページはこちら(公式サイトの上部バナーからも入れます。)
■■ 5. 11月4日両立支援セミナー in 秋田 の準備進行中!
11月4日に秋田県生涯学習センターにおいて、「がん治療と仕事の両立支援セミナー in 秋田」を開催します。どなたでもご参加いただけます。ぜひ広報にご協力ください。お申込みはこちら。
また、当日はがんサバネット会員限定で、秋田県立美術館に展示されている藤田嗣司作の壁画<秋田の行事>について、同美術館学芸員の方による特別解説があります。
10:00 秋田県立美術館入口前集合各自チケット購入
(代表理事高橋さんが、がんサバネットの旗をもって玄関前でお迎えします!)
10:15 学芸員の方による<秋田の行事>特別解説(約20分の予定)
10:40ごろ 解説後解散し、周辺を自由に散策(続けて美術館内の鑑賞もOK)
各自昼食を済ませ、セミナー開始までに会場へ移動
晩秋の秋田でお会いしましょう!
■■ 6. 10月のお鍋のじかん(10月16日)
10月のお鍋のじかんは本日午後7時から開催です!オンライン交流会「お鍋のじかん」は、お申込み不要、お出入り自由。およそ1時間から1.5時間の間、近況報告やちょっとした情報交換など、とりとめのない話をしています。聴いているだけでもまったくOKです。どうぞごゆるりとお立ち寄りください。
以上
【配信元】—————————–
※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)
NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク
公式サイト https://jcsurvivorship.net/
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