NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま
事務局でございます。お正月はどのようにお迎えでしたでしょうか。松の内が明けたと思ったら、全国大寒波!インフルもコロナも大流行。みなさまどうぞくれぐれもご安全にお過ごしください。
さて、今年最初の通信は、東京在住の理事・儀賀理暁さんのエッセイ「名前のない色」から始まります。年が明けるとクリスマスの頃が遠く感じられてしまいますが、実はついこの間なんですよね。<あのころ>を思い出しながら、どうぞさいごまでお読みください。1-3月のイベントのご案内も盛りだくさんです!
【目次】—————
1. リレーエッセイ「名前のない色」 理事・儀賀理暁
2. 1月15日(水)の「お鍋のじかん」、URLはこちら (午後8時からです!)
3. 2月8日(土)にはじめての対面「お鍋のじかん」を開催します
4. 3月15日(土)がんサバネット設立4周年記念フォーラムの参加受付を開始します
■■ 1. リレーエッセイ 「名前のない色」 理事・儀賀理暁
街ゆく若者たちの眩しさに引きずられた訳でも、イルミネーションに心が揺れた訳でも、特定の宗教を信仰している訳でもなく、ショーウィンドウのトルソーが羽織っていたペールトーンのコート、いや、そのコートの内側にちらりと見えるストールの青に誘われ、思わずお店の扉のドアノブに手をかけた。
「いらっしゃいませ、こんにちは」
(ほぼ誰も信じてくれないけれど)人見知りな僕は、通常このシチュエーションになると即刻回れ右をして黙って逃げる。が、そのまま足が止まらなかったのは、鮮やかかつ上品な赤いニットをきれいに着こなす店員さんの明るい声が、思いのほか耳に優しく響いたからだろうか。素材、色、形を比べながら、世界三大ウール産地の一つである尾州で昔ながらの織機が時間をかけて織り上げた作品を選んでもらった後、大きな天然木のテーブルの上で彼女が包装してくれる様を目の前に座って待つことに。
「クリスマスプレゼントですよね?とっても素敵です」
「ええ、まあ、はい、ありがとうございます。でも、選ぶの楽しいですね」
何でもない言葉が行き来するその下で、手際よくしかも丁寧な作業が進んでゆく。何の印もないのに測ったかのような折り目、真っ白な箱の上に複雑にそして美しくかけられてゆくピンクのリボン。羽が何重にもなった蝶々結びの行く先は、ゆるくウェーブをかけた長くつややかな髪のよう。
「お急ぎじゃないですか?ちょっと時間がかかってしまってごめんなさい」
「大丈夫ですよ。でも、いやあ、いいですね。なんだか、カウンターに座って美味しい料理を作ってもらっているみたいな感じで」
「え、ふふ、緊張しちゃいます(笑)」
「いやいや、“いつもの”でお願いします」
ストールの青、ニットの赤、テーブルのこげ茶、箱の白、リボンのピンク、そして名前のない優しい色に彩られたひと時。
「外、寒いのでどうぞお気をつけてお帰り下さいね。よいクリスマスを」
プレゼント、僕がもらっちゃったな・・・。
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【事務局より】
なんだか儀賀さんの声がきこえてくるようです。がんサバネット通信ではみなさまのエッセイをお待ちしています。600-800字程度のエッセイを、いつでも事務局、までお送りください。お読みになったご感想もお寄せいただければ、寄稿者の方にお届けします。
■■ 2. 1月のお鍋のじかん(1月15日) (午後8時からです)
1月のお鍋のじかんは1/15(水)。今回はちょっと遅く、午後8時から開店します!オンライン交流会「お鍋のじかん」は、お申込み不要、お出入り自由。ビデオもマイクもオフで途中で寝落ちしてもOK。およそ1時間くらい、近況報告やちょっとした情報交換など、とりとめのない話をしています。どうぞごゆるりとお立ち寄りください。
■■ 3 2月8日(土)にはじめての対面「お鍋のじかん」を開催します
2024年1月から毎月第3水曜日の夜に開催してきた、がんサバネット会員限定のオンライン交流会「お鍋のじかん」。
最近あった出来事やちょっと聞いてほしい今の気持ちを分かち合ったり、これからどんなことがしたい?とアイデアを出し合ったり。毎回その時限りの時間ですが、日常では中々言葉にする機会がなくても、こうして顔を合わせるとぽろっと言えることがあったり、誰かの一言に「わたしだけじゃなかったんだ」とほっとしたり、そんな1年を重ねてきました。
2025年は「オンラインだけではなく対面でもお会いしたいね」ということになり、お試しで2/8(土)11:00~14:30くらいまで、がんサバネット代表理事の高橋都さんがホストとなり対面の「お鍋のじかん」を開催します。
場所は、がんサバネットのイベント会場としても度々お世話になっている東京・港区立がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」さんの講習室にて。オンラインと同様に出入り自由でお好きな時間に覗いてお過ごしいただける、ゆるりとした会を予定しています。
最寄り駅:東京メトロ南北線または都営三田線 白金台駅
複合施設「ゆかしの杜」5Fです。南エントランスから入って右手のエレベーターで5F。降りてさらに右手の講習室が会場です。
会場では、がんサバネットの会員で、2021年9月に開催したがんサバネットオンラインカフェ「My Favorite Place~あなたをとっておきの心の旅へ」のゲストとして、本づくりの旅についてご紹介くださった手製本作家の藤田理代さんをお迎えして、藤田さんが普段病院や地域でひらいている「記憶のアトリエ」という本づくりの移動アトリエもひらいていただき、本を読んだりちょっと作ってみたり、手を動かしながら過ごすこともできる空間もご用意します。
はじめましてのみなさんも、お久しぶりのみなさんも、ういケアみなとさんでちょっとほっこりおしゃべりしたり、手を動かしたりしてみませんか?
寒い季節の開催にはなりますが、芽吹きを待つ木々たちに囲まれながら、春に向けたあたたかい時間を過ごせたらと思っています。
※予約不要・出入り自由ですが、13:00からは同じ会場で、みんなでお茶をのみながらお話する「お茶のじかん」もひらきます。「お茶のじかん」のみお席の都合で定員が10名程度となりますので、事務局に事前のお申し込みをお願いいたします。
※「記憶のアトリエ」については藤田さんのWebサイトのご案内をご覧ください。
以上
【配信元】—————————–
※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)
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