■■■ がんサバネット通信 第16号 ■■■

NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。9月になりましたね。今日の通信は、盛りだくさんです。ぜひぜひじっくりお読みください。

さて、「がんサバネット通信」第16号は、愛媛県松山市に本部を置く、NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長、松本陽子さんのエッセイで始まります。「おれんじの会」は2008年の発足以来、がん経験者の方々やご家族、そして医療者を含む関係者を結び付ける活動を続けてこられました。NPOがんサバネットは、志を同じくする全国の仲間との連携を大切にしたいと考えています。私たちの日々に、やわらかな<ピンクの帽子>がいつも共にありますように。

【目次】—————

  1. リレーエッセイNo.16(「おれんじの会」松本陽子)
  2. 9/23(祝・木)第3回がんサバネットオンラインカフェ参加申し込み絶賛受付中!
  3. 10/30(土)特別企画「「東北と全国と」~あなたの東北エピソードを募集します!

■■ 1. リレーエッセイNo.16(松本陽子)

1999年の夏、わたしは子宮頸がんの告知を受けました。もう22年も前のことですが、あの日から始まった4年間の治療の日々のことは、今もくっきりと思い描くことができます。分けても同じ病に向き合っていた患者さんたちとのことは決して忘れることはありません。

抗がん剤治療中、隣のベッドの患者さんは、わたしの母親の実家と同じ町に住んでいる人で、方言も懐かしく親しい思いを持っていました。副作用が軽い時期には縫い物をしたり、読書をしたり、他の患者さんとオシャベリをしたり。元気で家にいればくるくると休む間もなく家事をこなしてきたことが容易に思い浮かびました。ある日、バンダナをかぶっているわたしの顔をじっと見て「帽子、縫ってあげる。若いからピンクがいいかな」と言って、ベッドの上でたちまちにタオル帽子を縫い上げてくれました。母親にがんのことを隠していたわたしは、脱毛しても帽子を縫ってほしいと甘えられる人はなく、しっかりしなければと自分を奮い立たせて治療を続けていました。やわらかなピンクの帽子に触れた途端、その張り詰めていたものが切れ、涙があふれたのでした。

退院後、同じ病棟に入院していた仲間から、その人が旅立たれたことを聞かされました。あの時の恩を直接お返しする機会はなくなりました。であれば、わたしの次の世代の患者さんたちにできることをしよう、それが間接的な恩返しと思って患者会の活動に取り組んできました。外見が変わっていく悲しさ、自分が果たしたい役割を果たせない歯痒さ、夜中に目が覚めて暗闇の深さに足が震えたこと、同じような思いをした者として、隣にいよう。自分の活動に迷いが生まれるたびに、あのピンクの帽子を思い出しています。

NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会 松本陽子

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※がんサバネット通信のリレーエッセイは、どなたでも寄稿できます。600-800字程度のエッセイを、事務局アドレス contact@jcsurvivorship.net までお送りください。My Favorite Placeやサバイぶらりーへのご投稿とあわせて、お待ちしております!

■■2. 9/23(祝・木)第3回オンラインカフェお申込み絶賛受付中!!

8/21のがんサバネット号外でお知らせした会員限定第3回オンラインカフェ「My Favorite Place~あなたをとっておきの心の旅へ」。お申込み絶賛受付中です!

コロナ禍で思うように遠くに行けない今だからこそ、忘れられない旅の記憶や、身近な大切な場所について語り合い、いつか出る旅の参考にしましょう!

日時:2021年9月23日(木祝)午後1時30分~3時15分

会場:Zoom によるオンライン開催 (お申込みの方々にはURLを3日前にメールでお知らせします)

定員:30名(予定)

プログラム:

1部  それぞれの「My Favorite Place」 (50分)

以下の出演者が、「思い出の旅」、あるいは「街自慢・お国自慢」について語ります。

髙橋都(代表理事), 村本高史(副代表理事), 上野創(会員), 藤田理代(会員), 山内千晶(会員)

2部 座談会「旅の魅力、場所の記憶」 (45分)

第1部の内容を踏まえて、旅の魅力や大切にしたい場所のことなどを語り合います。参加者の皆さんもチャットを入れたりしながら一緒にお話ししましょう。

お申込みはこちら↓からぜひどうぞ!

■■3. 10/30(土)特別企画「「東北と全国と」~あなたの東北エピソードを募集します!!

NPOがんサバネットでは、「<ご縁をつむぐ> がんと暮らしの地方セミナー事業」として、正力厚生会の助成を得て、この秋に岩手県北上市での講演会を予定していました。しかし残念ながらコロナ禍で実現が難しくなってしまいました。そこで代替企画として、<東北>をキーワードとして会員同士がお互いを知り、がんサバネットが目指す温かく楽しい時間を共有することを目的として、「東北と全国と~ご縁をつむぐオンライン交流会」(会員限定)を開催することにいたしました。

第1部ではみなさまから寄せられた東北にまつわるエピソードをご紹介します。第2部では、病いを持ちながらも自分らしく暮らす東北在住の会員の生き方を紹介する動画(がんサバネット独自取材によるオリジナル作品)をご一緒に視聴し、日々の暮らしへのヒントを得る機会を持ちます。動画には、北上市在住の会員・高橋智絵さんと夫の栄喜さん、岩手県立中部病院星野彰医師ほかのみなさまが登場。そして北上の風と田んぼと夏の音と朝露を感じることができます。

つきましては、1部でご紹介する「東北とあなたの大切なエピソード」を全国の会員のみなさまから公募します。

l  東北にまつわる人、物、体験等に関連して、あなたに力を与えてくれたエピソードをお寄せください。大切な人のこと、旅の思い出、おススメの本や音楽・映画、俳句や短歌(詠まれたときの解説文も)、歌など、ジャンルは何でもOKです!

l  エピソードは400字~800字くらい。関連する写真を数枚つけてください。

l  東北にお住まいの会員のみなさまはもちろん、全国からのご投稿大歓迎です。

l  宛先は 事務局 contact@jcsurvivorship.net  です。

l  参加受付開始は9月下旬の予定です。

「こんな感じでもいいの?」のようなご質問も、何なりと事務局までどうぞ。

以上です。今後ともNPO法人がんサバイバーシップネットワークをよろしくお願いいたします。

【配信元】—————————–

※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)

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公式サイト https://jcsurvivorship.net/

問い合わせ先  contact@jcsurvivorship.net

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