NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま
事務局でございます。各地で猛暑や豪雨が続いており、影響がとても心配です。みなさまくれぐれもご安全にお過ごしください。
さて、今回の通信は、兵庫県にお住まいの会員・佐野潤一郎さんのエッセイから始まります。7月23日のがんサバネット夏の句会の進捗のご報告や、秋田情報第二弾、関係者テレビ出演のお知らせ(!)もあります。どうぞさいごまでお読みください。
【目次】—————
1. リレーエッセイ「人生の達人」 会員・佐野潤一郎
2. 申し込み受付中!言葉から立ち上る力をVol.4~がんサバネット夏の句会
3. 11月4日 秋田「治療と仕事の両立支援セミナー」に伴う「お楽しみ企画」のお知らせ
4. 7月のお鍋のじかん(7月17日)
5. 副代表理事村本高史さんテレビ出演!
■■ 1. 「人生の達人」会員・佐野潤一郎
緩和ケアチームのサポートを受けた妻は、安心と満足の中で今世の人生を終えて、次の人生を生きるために旅立った。緩和ケアがどれほど大切か、本当によくわかった。同時に、医療者以外の多くの人たちにも支えられた。妻にとっては、その人たちも広い意味で緩和ケアチームの一員のつもりだったのだろう。
そうした医療以外のひとたちのなかに、「人生の達人」とも呼ぶべき人たちがいたことで、妻はどれほど安心したか。生きる意味とは、仕事と治療の両立とは、この世の使命とは、愛する人たちと別れるとは。そうした医学では解明できない深い人生の哲学について、苦労して人生を生き抜いてきた大先輩たちと対話できたからこそ、妻は安心して今世を終えられたのだと思う。
妻が自ら拡大した緩和ケアチームに、そうした「人生の達人」がいた意味は大きい。
では、どんな人が「人生の達人」と呼ぶのにふさわしいのだろうか。司馬遼太郎は『街道をゆく 38オホーツク街道』のなかで、米村喜男衛(きおえ)氏のことを「達人といっていい」と紹介している。氏は89歳で亡くなる前まで「オレは幸せだったなあ」と繰り返し呟いていたという。氏は学歴も無ければ財力もなかった。ただ、市井の床屋として生活の糧を得るかたわら、北方民族に惹かれて学び続けるうちに、網走郊外で「モヨロ貝塚」を発見し、北海道にアイヌ以前の文化があったことを突き止めた。しかし、それが「幸せ」の意味ではない。望外の大発見をしたことよりも、日々の暮らしを営みながら学び続けた人生そのものに、氏は幸せを感じていたのだと思う。その人格的魅力はアイヌ研究の第一人者だった金田一京助氏に網走まで足を運ばせるほどだった。
米村翁のように自らの人生を肯定できるほどの徹底した学びと生活を継続してきた人だからこそ、その風韻に接するだけで自分の人生を肯定する気持ちになれるのだ。そうした「人生の達人」が常に緩和ケアの中心にいてほしいというのは勝手な願いだろうか。
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【事務局より】がんサバネット通信ではみなさまのご寄稿をお待ちしています。600-800字程度のエッセイを、事務局までお送りください。お読みになったご感想もお寄せいただければ、寄稿者の方にお届けします。
■■ 2. 申し込み受付中!言葉から立ち上る力をVol.4~がんサバネット夏の句会
お申込みくださった皆様、ありがとうございます!おかげさまで俳句もだいぶ集まり、楽しくなりそうです。事務局には「いい句ができたら申し込みます」「今ひねってますけど・・・」などの声が寄せられていますが、号外でもお知らせしましたとおり、俳句投稿なし・視聴だけのご参加も大歓迎です!「あなたの一句」のところ空欄のままお申込みください。夏の宵、クーラーを効かせて飲み物片手に、言葉から立ち上る力をご一緒に味わいませんか?句会に先立ち、会員の推し本紹介コーナーもあります。ご参加お待ちしております!
開催日時:2024年7月23日午後7時~8時45分
Zoomによるオンライン開催
お申し込みはこちらからどうぞ
※非会員の方もご参加可能です(参加費1,000円)。ぜひご家族やご友人もお誘いください!
■■ 3. 11月4日 秋田「治療と仕事の両立支援セミナー」に伴う「お楽しみ企画」のお知らせ
11月4日(月・祝 午後1時半~4時)に秋田市で開催する「治療と仕事の両立支援セミナー」の準備が進んでいます。秋田県立美術館に展示されている藤田嗣二作の壁画<秋田の行事>について、がんサバネット会員限定で、学芸員の方による特別解説が実現したことは前号でお知らせしました。近所には見どころも数多くあります。本号では、会員・武村尊生さんの「一押し秋田情報」をお届けします。
◆ 10:00 秋田県立美術館入口前集合 各自チケット購入
◆ 10:15 学芸員の方による<秋田の行事>特別解説(約20分の予定)
◆ 10:40ごろ 解説後解散し、周辺を自由に散策(続けて美術館内の鑑賞もOK)
◆ 各自昼食を済ませ、セミナー開始までに会場へ移動
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わたしの一押し秋田情報「千秋公園」(Vol.2会員・武村尊生)
前回、会員の篠崎さんから紹介のあった、秋田県立美術館と秋田市立千秋美術館に隣接しているのが千秋公園です。もとは秋田藩主佐竹氏の居城、久保田城跡で、石垣や天守閣を持たない平山城であったことが特徴の一つです。公園として整備された現在は、桜、ツツジ、あやめ、あじさい、ハスといった花の名所であることに加え、晩秋にかけては公園全体が紅葉し、季節を通じて自然を満喫できる市民の憩いのスポットです。セミナーが開催される時期は、ちょうど紅葉が楽しめそうです。また、公園内にある「御隅櫓(おすみやぐら)」は、秋田市政100周年事業として平成元年に復元され、内部では佐竹氏と久保田城の歴史解説のほか、天気がよければ展望台からは秋田の市街地が一望できます。美術館の後に立ち寄るもよし、早起きして朝の澄んだ空気につつまれて散策するもよしです。街中の公園ですので園内移動に時間はそれほどかからないはずなのに、ふと気づくと、思いのほか時間が経っているような、不思議な魅力のある場所です。当日、晴れるといいですね。
■■ 4. 7月のお鍋のじかん
毎月第4水曜日午後7時からのオンライン交流会「お鍋のじかん」は、お申込み不要、お出入り自由のじかんです。毎回近況報告や折々で想うことなど、とりとめのない話をしています。7月のお鍋は17日。どうぞごゆるりとお立ち寄りください。
トピック: 7月のお鍋のじかん
■■ 5. 副代表理事村本高史さん・テレビ出演!
副代表理事の村本さんが、7月17日(水)の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系:夜10時~10時58分)に出演予定です。サッポロビールにお勤めの村本さんは、社内でがん経験者のコミュニティ「Can Stars」を5年前に立ち上げ、運営している他、複数の企業と連携して企業内ピアサポーター育成の「WorkCAN’s」の活動を続けています。今回その活動が「ワールドビジネスサテライト」の取材を受けました。どうぞご覧ください!(大きなニュースが入ると番組内容が変更になることがあります。)
以上
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