NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。関東の木々の緑は色濃くなってきました。西日本もそうでしょうね。でも東北や北海道ではまだ瑞々しい新緑が見られます。がんサバネットの会員のみなさんは、縦に長い日本のあちこちに住んでおられます。どうにかしてリアルな全国大会(?)が企画できないかなぁ、と妄想するこのごろです。

さて、今回の通信も、エッセイを2本お届けします。大阪府在住の会員 長谷川理江さん、代表理事高橋都さんより、食べ物のお話をお届けします。ようやく「黙食」から解放されてきたこのごろ。誰かと笑顔で食事をするのは、かけがえのない時間ですよね。

【目次】—————

リレーエッセイ①「あずのごはん」 会員長谷川理江

リレーエッセイ②「おいしいものは幸せのもと」 代表理事高橋都

「楽しむ」活動~公式サイトMy Favorite Placeへのご投稿お待ちしています!

■■ 1. リレーエッセイ①「あずのごはん」 会員 長谷川理江

 京都では小豆ご飯のことを『あずのごはん』と言うそうです。なんや知らん可愛いらしい言い方やなぁと、懐に入れて時々出してみる言葉のひとつです。もちもちしたお赤飯ではなくて、茹でた小豆を入れて普通のお米と一緒に炊いたものです。ほんのりと色づき小豆の香りがして、ご飯も小豆も大好きな私はついつい食べすぎてしまいます。

 夫が脂肪肉腫の術後5年をまあまあ元気に迎えました。そういえば、手術が終わって医師からの説明を受ける時に見たブツの大きさに、一緒にいた娘たちと文字通り息を呑んだことを覚えています。病院から帰る車の中で「写真撮りたかったよね、アレ。ちょっとそんな雰囲気じゃなかったから言わなかったけれど…」と、3人とも同じことを思っていたのだと分かり泣き笑いしたことは、今も我が家の鉄板ネタになっています。

 いつまで一緒にいられるのだろうと、先が見えるようで見えないフワフワとした日々を重ねて来ました。その間、新たに患者の家族という立場になった私は、自分が先に乳がんを体験していたおかげで知り合った医療関係者や患者仲間に支えられて来ました。医療者には治療や療養についてのアドバイスをいただいたり、友人たちには只々話を聞いてもらったりと、本当に沢山の方々にお世話になりました。誰かと繋がっていることがもたらす安心感を痛切に感じる日々でもありました。私は弱音を吐く能力に長けていますので、これからも皆さんに不安を預けに行くことだろうと思っています。

この頃は色々な花を求めて2人で出歩くことが多くなりました。また会ったね、また会えたねと、そっと花びらに触れて小さな声で話しかけます。そんな花巡り散歩をして少し疲れた夕方、久しぶりに『あずのごはん』を炊きました。美味しそうにお代わりをする夫につられて、私もお代わり。やっぱり少し食べすぎましたが、美味しいものは幸せも運んでくれます。おおきに。

■■ 2. リレーエッセイ②「おいしいものは幸せのもと」 代表理事高橋都

おいしいものは幸せも運んでくれる…。長谷川さんのエッセイを読んで、いろんな場面が思い浮かびました。

おいしいものの周りには、大抵、おいしい顔をした誰かがいます。お皿や食卓の向こうには笑顔があります。「おいしいね」と言える幸福。食べ物はからだをつくってくれますが、おいしいものを分かち合う時間はこころの栄養を運んでくれるように思います。

おいしいものを一緒に食べようとする場面は、相手を思いやる気持ちや、その時間を楽しみたいという思いから生まれるのかもしれません。我が家の場合、夫が治療後の時間を自宅で過ごすために覚悟の退院をし、食事ができていた間の1か月間は、おそらく結婚生活の中で一番力を入れて毎日の食事をつくった日々でした。熱々のたれをつけてフーフーして食べた湯豆腐、デパ地下で見つけた鱧一匹(骨切済み)を自分で湯引きしたこと、浅草のどぜう屋さんに頼み込んでテイクアウトにした夫の大好物の鯉の洗い。今思い出しても、そのとき我が家の食卓に並んだものはどんな料理屋さんにも負けなかったと思うのです。

夫が消化管閉塞で食べられなくなったあと、私は食への興味をすっかり失いました。一緒に食べることこそが楽しみだったのだと思い知りました。あまり食べなくなった私に気づいた夫は、食事時になると食卓の向かい側に座り、私がきちんと食べるかどうか見張るようになりました。見張られながら一人で食べるのは妙でしたが、それでも他愛のない話をしながら、そこにも笑顔がありました。

そういえば、まさにその食卓を家具屋さんで探していたときのことです。「できるだけ大きいのにしよう」「図書館にあるみたいなヤツ」「少し荷物を置いても、脇で食事ができると便利」。そんな話をしていた夫と私に店員さんが言いました。「これ以上幅が広いと、向かい合ってお鍋が食べられなくなりますよ」。…その店員さんも、きっと食事の時間が大好きだったのでしょう。

ほんと、おいしいものは幸せのもとだと思うこのごろです。

■■ 3. 「楽しむ」活動~公式サイトMy Favorite Placeへの投稿をお待ちしています!

みなさま~、「楽しむ」活動のひとつ、会員の旅の記録”My Favorite Place” 勝手に強化月間です!!ぜひぜひあなたの旅や故郷自慢を、全国の会員のみなさんと共有してくださいませんか?風景、食べ物、誰かとの交流、感じたこと・・・どんなネタでもOKです。はじめて投稿してくださる方も、リピーターの方も、大歓迎!写真数枚と400字程度(字数は応相談)のエッセイ・・・ということになっておりますが、SNS的な短い文章でも結構です。「これが山菜だ」「落ちそうになった崖」「おいでませ松江」「私が二十歳だったころ」・・・等など、タイトルもご自由に決めてください。お一人何件でも大丈夫。事務局にお送りくだされば、小出しにご紹介いたします。では、お待ちしていま~す!

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