NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。いよいよGWがやってきました。比較的天候には恵まれるようですね。事務局の場合、最終日に特大「サザエさん症候群」になるのはわかっていますが、みなさまどうぞ楽しい時間がお過ごしになれますように。

さて、今回の通信は前回に続き、会員・佐野潤一郎さんのエッセイから始まります。また、11月に予定される地方セミナー in 秋田 の情報もあります。どうぞさいごまでお読みください!

【目次】—————

1. リレーエッセイ「病室で感じる自然」 会員・佐野潤一郎

2. 地方セミナー in 秋田の企画が進んでいます!

3. 5月の「お鍋のじかん」~5/22 午後7時から開催します

4. ジャパンキャンサーサバイバーズデイ2024のお知らせ

■■ 1. 「病室で感じる自然」 会員・佐野潤一郎

眠れぬ夜、不安な夜。終末期の妻の付き添いをしていて、妻の不安を和らげようと、夜に不安にならない方法をいろいろ試してみた。最初はG線上のアリアなど、クラシック音楽をエンドレスで流してみたりしたが、同じ音楽の反復はある一定の限度を超えると、癒しとは反対に、我慢ならなくなるものらしい。

次に落語やトークなど人間の声を流してみた。これも演者と聞く側とのメンタルのギャップが大きいときには、苦痛になることが分かった。

最終的に行き着いたのが、鳥の鳴き声、波の音、小川のせせらぎ、などの自然の音だった。これらをYouTube動画で探すとき、キーワードに英語で “8 hour nature sound”と入れると八時間ノンストップで自然の音を流している動画がヒットする。

妻は息を引き取るまで、ずっとこうした自然の音を聞き、「いまの鳥の鳴き声、同じのを上高地で聞いた」とか「もう一度奥入瀬に行きたいね。夏の奥入瀬渓流は本当に良かった」などと懐かしい思い出を語っているうちに眠りに落ちるのであった。

病室にいると、自然が最も遠くに感じられる。妻は手術や抗がん剤治療での入院が終わりに近づくと、とにかく自然の中に行きたがった。たった一日で地上での命を終える蝉や、樹齢何百年もの杉の木立に囲まれて、自分の生きる時間を見つめなおしていたように思う。山中の宿では星空を仰いで次々に星を指さし「あの星からの光は、どれくらい昔のもの?」とよく私に尋ねた。そのたびに知っている限りの知識を振り絞って「アンドロメダ銀河は250万年前の光だよ」とか「あれは土星だから80分前の光だね」とか答えた。妻は、はるか昔に光を発して、いまは実際にはどうなっているかわからない遠い星を探したがっていた。永遠には手が届かなくても、はるか以前の光が遠くまで届くことに、希望を見出そうとしていたのだと思う。妻はそんな生き方がしたかったのかも知れない。いまも妻の光は、たしかにある。そう感じる毎日を過ごしている。

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【事務局より】がんサバネット通信ではみなさまのご寄稿をお待ちしています。600-800字程度のエッセイを、いつでも事務局までお送りください。お読みになったご感想もお寄せいただければ、寄稿者の方にお届けします。これまでも小さくて温かい交流が生まれています。

■■ 2. 【第一報】地方セミナー in 秋田の企画が進んでいます!

がんサバネットでは、年に一度地方開催のセミナーを企画しています。一昨年の山形、昨年の愛媛に続き、今年は11月4日(月・祝)に秋田市内での開催企画が進んでいます。今回は秋田県庁との共催が決まりました。会場やプログラムなど、詳細が決まり次第、本通信でお知らせします。三連休の最終日ではありますが、秋田でお目にかかれるといいですね!セミナーにあわせて、小さいレクリエーション企画も考えています。秋田まで足を運べないみなさまにも、当日の様子を詳細にレポートさせていただきます。まずは、第一報でした。

■■ 3. 5月の「お鍋のじかん」~5/22(水) 午後7時から開催します

代表理事の高橋です。毎月第4水曜日午後7時からのオンライン交流会「お鍋のじかん」は、お申込み不要、お出入り自由のじかんです。先日の4月のお鍋は、最近がんサバネットに入会された方が寄ってくださり、9名が自己紹介なども交えてゆるくおしゃべりしました。実は最近公私ともに忙しい日が続いていたのですが、個人的に、お鍋のゆるさに癒されて、ほっとすることができました。5月も下旬になると、初夏のかおりが感じられるでしょうか。なんだか時間がたつのが早いですね。ご都合のつくみなさま、5月のお鍋でお待ちしております~!

トピック: 5月のお鍋のじかん

時刻: 2024年5月22日 07:00 PM

■■ 4. ジャパンキャンサーサバイバーズデイ2024のお知らせ

来る6月2日に、公益財団法人日本対がん協会主催のサバイバー向けイベント「ジャパンキャンサーサバイバーズデイ」が開催され、代表理事の高橋さんがスピーカーとして参加します。毎年6月に開かれるこのイベント、7回目となる今年は、特にがんと診断されたばかりの方や現在治療中の方が安心して治療・療養生活をおくるために、有益な情報をお伝えすることを主眼としています。がんサバネットの補助金等プロジェクトのチラシも配布される予定。会場は東京・築地の国立がん研究センターです。興味のある方はどうぞお立ち寄りください。(高橋さんに声をかけてくださいね。)

https://www.gsclub.jp/jcsd2024

日本対がん協会のサイトには、副代表理事の村本高史さんの連載エッセイ「がんを越え、”働く”を見つめる」も掲載されています。あわせてぜひお読みください!

https://www.gsclub.jp/archives/tips_tag/%e3%81%8c%e3%82%93%e3%82%92%e8%b6%8a%e3%81%88%e3%80%81%e5%83%8d%e3%81%8f%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%81%a4%e3%82%81%e3%82%8b

以上

【配信元】—————————–

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