■■■ がんサバネット通信 第15号 ■■■

NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。お盆が過ぎ、少しだけ空が遠くなったように感じられますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、「がんサバネット通信」第15号は、東京都在住の会員・中村智志さんのエッセイから始まります。中村さんはご家族としてのがん体験をお持ちで、今回はご両親をみとったご友人のお話を寄稿してくださいました。ダンスが引き出す根源的な生命力。がんサバネットの新たな企画に結びつくかもしれませんね。

【目次】—————

  1. 設立メンバーリレーエッセイNo.15(会員・中村智志)
  2. 日本対がん協会サイトの村本さんの連載エッセイ更新
  3. 「全国補助金探し隊」活動中!
  4. 9/23(祝・木)午後に第3回がんサバネットオンラインカフェを開催します
  5. 第2回がんサバネットカフェ(6/10開催)の動画公開!

■■ 1. リレーエッセイNo.15(会員・中村智志)

 砂連尾理、というダンサー・振付家がいる。「じゃれお・おさむ」。本名だ。56歳。20代半ばでニューヨークでコンテンポラリーダンスを学び、2002年には国内で大きな賞を受賞した。私とは、彼が大阪から越してきた東京・小平市の小中学校の同級生でもある。

「本来のダンスは共同体の祈りであり、選ばれた人のものではなく、誰でも参加できた」と語る。近年は、障害を持つ人、特別養護老人ホームの入居者、大阪・釜ケ崎で暮らす人、地域の小学生など、さまざまな人とのワークショップに力を注ぐ。特養とのオンライン交流では、砂連尾さんの動きをお年寄りたちが楽しそうに真似る。濱口竜介監督の映画で振付を演出したこともある。

砂連尾さんの活動は、人と人を「つなぎ」、人の根源的な生命力を「引き出している」ように見える。

砂連尾さんは2019年5月に父、7月に母をがんで送った。父は16年11月に食道がんが見つかった。手術したがほどなく脳転移して、視力をほぼ失った。砂連尾さんは、それまで深く尋ねずにきた父の歩みを聞き取った。父に対する印象が変わり、「ありがとう」と感謝された。父も生まれ変わった気がしたという。

母は2018年5月にすい臓がんとわかった。亡くなる直前までユーモアを忘れない母の「人間、おむつで始まりおむつで終わるんやで」という言葉が響いた。砂連尾さんは幼いころ、母親っ子だった。

両親はほぼすべての公演を観てくれていた。発病後も家で過ごせる時間が長く、実家に帰る度に出会い直せた。今年に入り、2人の写真を前に、想い、祈り、踊った。表情や動作が次々とよみがえる。話しかけて、一緒に触れている気にさえなる。こんな出会い方があったんだ、と思えた。じっくり悲しむこともできた。

目の前にいなくても、つながれる。砂連尾さんの得た感覚は、私たちにもヒントを与えてくれそうだ。私は、いつか彼に、がんサバイバーとのワークショップを開いてもらえたらと考えている。

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※がんサバネット通信のリレーエッセイは、どなたでも寄稿できます。600-800字程度のエッセイを、事務局アドレス contact@jcsurvivorship.net までお送りください。My Favorite Placeやサバイぶらりーへのご投稿とあわせて、お待ちしております!

■■2.  日本対がん協会サイトの村本さんの連載エッセイ更新

副代表理事村本高史さんが、公益財団法人日本対がん協会のサイト「がんサバイバー・クラブ」で連載中の「がんを越え、“働く”を見つめる」の第4回が掲載されました。働くこと、役割を持つことには、さまざまな意味がありそうです。あなたはどう考えますか?ご感想は、事務局までお寄せください!

第4回 https://www.gsclub.jp/tips/17017

■■3.  「全国補助金探し隊」活動中!

前号でもご報告しましたが、NPOがんサバネッ会員有志による「補助金探し隊」では、全国の自治体ががん患者・家族に向けて提供するさまざまな補助金のリストづくりに取り組んでいます。8/11,8/12の両日、「探し隊」のオンラインミーティングが開かれ、10種類の補助金についてリスト化を進めることになりました。今年度は青森県、岩手県、秋田県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、奈良県、愛媛県、福岡県の1都9県とその区市町村の補助金を探し、まとまったところから公式サイトで公開します。さらに来年度以降、徐々に全国に拡げていく予定です。「探し隊」のみなさま、楽しくのんびり探してまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

■■4. 9/23(祝・木)午後に第3回がんサバネットオンラインカフェを開催します

9月23日(午後1時30分~3時15分)に、公式サイトの「My Favorite Place」に連動した企画として、第3回がんサバネットオンラインカフェ「My Favorite Place~あなたをとっておきの心の旅へ」を開催します。今回は会員のみなさま限定のカフェです。第1部では5名の会員が、それぞれの「My Favorite Place」 を紹介し、第2部座談会では「旅の記憶、場所の記憶」について語り合います。参加者のみなさんもチャット等かご一緒にお話ししましょう。

申し込みサイトの準備が出来次第、がんサバネット通信号外でお知らせします。

9月23日午後、どうぞお楽しみに!!

■■5. 第2回がんサバネットカフェ(6/10)動画公開!

会員限定ページで、第2回がんサバネットカフェ「病気になったときの仕事とお金~誰に何を聞いたらいい?」(6月10日開催)の動画が公開されました。

病院スタッフ、産業医、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーのそれぞれについて、仕事とお金に関する得意技や、どうやって見つけたらよいか、4人の会員が説明します。後半は、みんなの質問コーナー。わかりやすくざっくばらんなやりとりが展開されました。

見逃した方、ぜひどうぞ!

公式サイトトップページ右上の「会員限定」をクリックすると、会員限定ページに入ります。ログインにはIDとパスワードが必要です。

以上です。今後ともNPO法人がんサバイバーシップネットワークをよろしくお願いいたします。

【配信元】—————————–

※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)

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公式サイト https://jcsurvivorship.net/

問い合わせ先  contact@jcsurvivorship.net

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