NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。空気はまだ冷たいものの、事務局の周りの桜は満開です。季節
がめぐっていることが感じられます。さて、通信第89号はちょっと変則で、4~6月の
活動のお知らせから始まります。そのあとに、神奈川在住の会員・井上陽子さんの
エッセイ「バイアスに縛られない選択」をお届けします。このエッセイから、ご自身
の来し方行く末を考える方もきっと少なくないでしょう。ぜひどうぞ、さいごまでお
読みください。

【目次】—————

1.  4月のお鍋の会は4月16日(水)午後8時から

2.  4月19日(土)深大寺お散歩企画、好評受付中!

3.  5月14日(水)がんサバネット オンライン「春の句会」受付開始!

4.  6月1日(日)日本対がん協会「JAPAN CANCER SURVIVORS DAY 2025(ジャ
パンキャンサーサバイバーズデイ)」(東京・築地)にブース出展!

5.  リレーエッセイ「バイアスに縛られない選択」 会員・井上陽子

■■ 1.  4月のお鍋のじかんは4月16日(午後8時から)

4月のお鍋のじかんは4/16(水)です。オンライン(Zoom) 交流会「お鍋のじかん」
は、お申込み不要、お出入り自由。1時間くらい、近況報告やちょっとした情報交換
など、とりとめのない話をしています。耳だけ参加も大歓迎~。どうぞお気楽にお立
ち寄りください。

■■ 2.  4月19日(土)深大寺お散歩企画、好評受付中!

前号でもお知らせした春のお散歩を企画、好評受付中です。東京の西の郊外、武蔵野
の面影が残る調布市で、四季折々の花があふれる神代植物公園と、歴史ある深大寺を
散策しませんか?

* 集合時間・場所:4月19日午前10時半 神代植物公園正門講演前集合(代表理事
の高橋さんががんサバネットの旗をもってお出迎え)

https://www.tokyo-park.or.jp/park/jindai/#traffic

* 参加費:神代植物公園入場料500円(各自支払い)

* 残席5~6名(ご家族、ご友人もOK!)

* 予定:神代植物公園から深大寺界隈をめぐり、12時過ぎごろ自由解散。(深大寺
蕎麦をはじめ、周辺にはランチ場所がたくさんあります!)

* 申し込み方法: 4月17日までに事務局にメールでお申し込みください。2日以内に事務局から
確認返信がない場合は、お手数ですが再度事務局にご連絡ください。

■■ 3.  5月14日(水)がんサバネット「春の句会」受付開始!

がんサバネットオンライン「春の句会」の参加受付が始まりました。こちらからどう
ぞ↓↓。

投句締め切りは5月9日(金)、参加締め切りは5月11日です。複数の句をお寄せ
くださっても、渾身の一句でもOK。ただし、今回は投句数を最大五句までとさせてい
ただきます。「自分の句を読者の目線で客観的に見る『自選』をしてみましょう」と
いう講師・野崎海芋さんからのメッセージです。

受付サイトから、俳句と、その句が生まれたときの状況・背景もあわせてお知らせく
ださい。もちろん、投句なし、視聴のみのご参加も大歓迎です!

締め切り後に、寄せられた俳句リストを共有して、事前投票を行います。句会当日
は、野崎海芋さんの<俳句にまつわるお話コーナー>もあります。一般の方も参加OK
(参加費1,000円)。ぜひご家族やご友人もお誘いください。ご参加お待ちしていま
す!

■■ 4.  6月1日(日)日本対がん協会「JAPAN CANCER SURVIVORS DAY 2025(ジャ
パンキャンサーサバイバーズデイ)」(東京・築地)にブース出展

6月1日に、東京・築地の国立がん研究センターにおいて、日本対がん協会主催の
「JAPAN CANCER SURVIVORS DAY 2025(ジャパンキャンサーサバイバーズデイ)」が
開催されます。kiがんサバネットでは、今回はじめて活動紹介のブースを出展しま
す。代表理事高橋都さんによる講演もあります。どうぞぜひお立ち寄りください。

イベントの詳細と参加受付はこちら↓↓。

https://www.gsclub.jp/jcsd2025

■■5. リレーエッセイ 「バイアスに縛られない選択」 会員・井上陽子

昨年末より会社にいかない生活になった。満60歳を待たずに早期退職の道を選択し
た。入社して35年、縁あってずっと同じ会社で働くことができたが、自分自身の我
慢の限界に気づいていた。2年ほど迷いながら道を探っていたが、やっと決心するこ
とができた。

今振り返ると、入社以来ずっとアンコンシャスバイアスの渦中で生きづらさを感じて
きたように思う。

【20代:女性社員へのバイアス】

私が入社したころ、女性社員は社員全体の0.8%程度であった。そのため、ロールモ
デルになるような先輩もおらず、どこの職場でも配属されれば「紅一点」とか言われ
る有様であった。職場に女性の先輩がいなかったことは、メリットもデメリットもあ
る。メリットは古い慣習が無いため、結婚での肩たたきやお局様がいないこと。デメ
リットは女性と一緒に仕事をしたことが無いため、上司により部下の育て方にかなり
差がでたこと。要は女性を部下として扱った人がいなかったのである。同期入社の男
性とは違い、仕事は“分担”されることは無かった。

1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから6年後の1990年入社で、総合職と言え
ども、まだ女性の深夜労働・超過勤務時間数などの制限があった時代である。残業で
きて当たり前の職場環境で、制限のある性社員が配属になると「お荷物」と考える上
司がほとんどであった。待っているだけでは、お茶出しやコピーで1日終わってしま
いそうなので、自分から「これやります。」と仕事を取りにいくことを学んだ。

【30代:子育てとの両立のバイアス】

27歳で職場結婚、29歳で第1子を出産し、1年間育児休職をした。会社で育休を取得し
た最初の5本指に入るようだ。

30代は、32歳で妊娠と流産、35歳で第2子出産、1年間の育休後にまた37歳で第3子の
出産となり、仕事のスキルアップどころでは無かった。なんとか職場や同僚に迷惑を
かけないようにすることが最重要課題であるが、急な保育園からの呼び出しや決まっ
た時間の送迎で、時間的な制約はやむを得なかった。そのため、急に仕事をお願いす
る場合に備えて、誰が見てもわかるような資料整理や、進捗状況の管理などのスキル
は身につけられた。

しかし、やはりこの時代でもまだ「長時間、保育園に預けるのはかわいそうだね」
「早く帰らないとお子さん泣いてるよ」など外からのバイアスと、子どもと一緒に居
られないことの後ろめたさという自分の内なるバイアスに苦しめられた。

【40代:がん患者というバイアス】

一番下の子どもが年長組、来年は小学校というタイミングの44歳の時、乳がんが見つ
かった。幸い、手術で切除可能で、その後の投薬治療もせずに済んだ。しかし、人事
担当者へ最初に病気を伝えた際、「仕事は気にしないでいいから、ゆっくり休ん
で。」と言われたことがとてもショックだった。仕事を辞めずにいられること自体、
幸せなことではあるのだが妙に寂しかった。代わりなんて、いくらでもいるのだな。

復職後は、異動となった。それまでのキャリアを考えると転職するようなチェンジの
職場にはなるが、早く仕事に復帰したかったし、何より自宅から近い事業所での復帰
が叶ったので“良し”とした。職場は、ハンディキャップ採用の方や、やはり生活習
慣病など持病の治療をしながら働く方もいて、あまり残業や突発的な対応もなく両立
のしやすさで言えばとても恵まれていた。違う会社にいるような感覚だったが、「こ
んな働き方もあるのか」と新鮮な気もした。今まで子育てとの両立で、仕事を持ち
帰って早朝や深夜に、もうろうとした意識をドリンク飲んで眠気覚まして対応してい
た時代が嘘のような感覚であった。

しかし同時に焦りも出てきた。「このままでいいのか。」でも、無理をしてまた再発
したらどうしよう…、気持ちをどのように整理したらいいのかわからなかった。

【50代:年齢によるバイアス】

治療後、無事5年が過ぎ、主治医が握手で「おめでとう」と言ってくれた。素直に嬉
しかった。そろそろ仕事でもきちんと成果を出してステップアップしたいと欲がでて
きた。幸い、発病前にいた古巣の部署に異動ができた。遅れを取り戻そうと夜遅くま
で懸命に仕事をした。

時代は、フレックスタイムや男性社員の育児休職がチラホラ出てきた「働き方改革初
期」のころである。私の30歳代とは比べものにならないほど、パパ社員の育児参加が
進み、結果、ママ社員が活き活きと仕事をしていた。私より、若い世代が急速に増え
ていた。

そんな中50歳代以降の社員対象で、人事からライフサイクル面談があった。面談の内
容は、「人生100年時代にむけて、そろそろ会社の仕事以外の人生設計を始める時
期」という一般的なものであったと記憶している。

しかし、その面談の後、直属の上司の対応が変わってきた。仕事の分担が軽くなり、
短期的な仕事など引継ぎのしやすいものが多くなった。その時点で、まだ私はマネジ
メントのある役職までは携わっていなかったにもかかわらず、いわゆる一定年齢での
役職定年のような処遇であった。「もうこれ以上はステップアップは望めない」とい
う最後通告をもらったような気分になった。

それでも、「子どもたちも成長し、病気も今のところは寛かいである。今まで遅れた
分をこれから挽回したい。」と願っていた私にはどうしても納得できるものでは無
かった。しかし一人で贖い続けられるものでは無く、仕事内容のレベルアップを願う
と仕事量だけが増え、空回りすることが多くなった。結果、組織改正で自宅から片道
2時間の事業所へ異動することになった。

そこでも起死回生をと思っていた矢先に、世界はコロナ禍になった。テレワーク、オ
ンライン会議、フリーアドレス、クラウド共有など、まだまだ先だと思っていた働き
方改革が一気に進んだ。

そしてその環境に柔軟に適応できる世代が、社内のイニシアチブをとるようになって
いき、私は自分の居場所がわからなくなっていった。自身が培った知識や技術が通用
しない、必要とされない状況を、なかなか受け入れられなかった。しかし、出社しな
くても仕事ができると言うことは、子育てや病気治療と両立したい人、もしくは大切
な人の介護を必要とする人にとっては願ってもないことで、もし私が30歳代、40歳代
でこの環境であったなら、50歳代は今と違う立ち位置に立てたのではないかというこ
とにも気がついた。

それならば。

これから先は、無理をしないで働ける職場、会社、社会を目指せばいい。そのために
は自分も無理をしないで、我慢しないで生きよう、と思うようになった。バイアスに
縛られることのない働き方、生き方をすべての人が選択肢として持てるように。目標
を新たに持つことで、今までの会社人生に終止符を打つ決心がついた。

さぁ、これから何を始めよう?

私のためのわくわくする未来を創ろう!!

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★★ 井上さんのこれからにエール!エール!!事務局でした。★★

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