NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク会員のみなさま

事務局でございます。少しずつ、少しずつ春の足音が・・・聞こえてくるような、こないような最近ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、がんサバネット通信も通算50号となりました!第1号は、2021年の1月12日火曜日でした。これからも小さなお便りをお届けしてまいります。今日の通信は、兵庫県明石市在住の会員、佐野潤一郎さんのエッセイから始まります。

【目次】—————

リレーエッセイ「詩と真実」 会員 佐野潤一郎

イベント報告「ホスピタルアート in ギャラリーⅣ」

設立2周年記念フォーラム受付中(締め切り2月28日)

「ありがとうブックス」がんサバネット寄付サイト開設のお知らせ

■■ 1. リレーエッセイ「詩と真実」 会員 佐野潤一郎

通勤時間が私にとっての読書時間。タブレット端末は便利だ。数千冊の本をダウンロードして尚、片手で持てる。画面に書籍を思いつくままに開き散らかして、雑多なジャンルと言語をホッピングする。今朝は、『ひとまずがんの治療を終えたあなたへ』(中村哲也 監修訳)の原作The Cancer Survivor’s Companion(2011)を開くと、英国マギーズのローラ・リーの言葉が目に留まった。そこには「がんと共に生きる人々が必要としているものは、明快で、地に足の着いた、そして、勇気をくれるようなアドバイス」という意味の言葉が記されていた。邦訳版では帯の裏に3人の推薦の言葉があるが、英語版では更に5人が推薦文を寄せており、これはそのうちのひとつ。(ちなみに、邦訳版の帯の表には高橋都代表理事の推薦文が記されています)

そう、地に足の着いた具体的なアドバイス、それこそ日々求めて、なかなか得られないものだ。得られないなら、読んで探そうと思っても、がん闘病記は千差万別、なかなか自分と自分の家族の状況にぴったりの記述は見つからない。

そんなとき、私はむしろ、詩を読む。詩には具体性もなければ、直截な言葉もない。ただただ感情の発露、そして生命観の吐露。その奔流に身を浸していると、いつのまにか自分の裡にも、静かに水を湛えた水脈があることに気づく。「生きる」ことの源とも言うべき深く澄んだ水、それがあると知るだけで、心が鎮まる。そして、患者としての自分から人間としての自分へと、魂が引き戻される感覚を経て、ようやく地に足が着く思いがしてくる。不思議だ。

朱自清の中国語詩「匆匆」(1922)。そこはかとない哀しみが、不思議といのちの永遠を思わせて、車窓から見る薄曇りの空の彼方が少し透明感を増したように思えたのは気のせいだろうか。さて、次はアントニオ・マチャードのスペイン語詩「El viajero(旅人)」(1907)の沈鬱にでも浸ろうか。詩の透明な哀しみは、きっとまた、生きる力を与えてくれる。

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※がんサバネット通信のリレーエッセイは、どなたでも寄稿できます。600-800字程度のエッセイを、事務局アドレスまでお送りください。お待ちしております!

■■ 2.イベント報告「ホスピタルアート in ギャラリーⅣ」

ちょっと時間がたちましたが、11/1(火)~11/13(日)まで大阪で開催された企画展「ホスピタルアート in ギャラリーⅣ」のご報告です。

https://www.hito-iro.com/hospital-art-in-gallery/

最終日に、理事の儀賀理暁さんと会員の藤田理代さんが出展されました。展示の様子はがんサバネット公式Facebookでお知らせしましたが、Facebookをご覧になれない会員のみなさまにもお伝えしたく、ここで改めてご紹介させてください。リンクから、お二人の「うた」もお聴きいただけます。

——— 公式Facebook 11月25日より

季節があっと言う間に流れ冬空の様相となって参りましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、先日お知らせした企画展「ホスピタルアート in ギャラリーⅣ」についての続報です。

会場の一角に展示されていた「療養中に使用していたウォークマン」という作品は、会員の藤田さん(向かって右)の二編の詩からつまびかれた理事の儀賀さん(中央)の曲を、彼女が治療中からずっと肌身離さず使用していたウォークマンにおさめたもの。

藤田さんが患者として経験した“いえないいたみ”と、その言の葉に誘われた儀賀さんの音。トークショーの中では、藤田さんの詩の朗読と儀賀さんの弾き語りも披露されたとのことです。

そしてこの度、ご来場いただくことがかなわなかった会員のみなさまにもお届けできれば・・・とのご案内をいただきました。

michi-siruve.com/migiwa-no-niji-music/

ぜひ、お二人の「うた」に耳を傾けつつ、アーティスト達の織りなす優しい空間に包まれるかの様な晩秋のひと時をお過ごし下さいませ。

■■ 3. 設立2周年記念フォーラム受付中(締め切り2月28日)

会員・一般・関係者あわせて、すでに40名以上の方々からお申込みいただきました。ご参加は2月末まで受け付けております。お申込みはこちらから↓

開催日時:3月5日(日)13時半~15時半

会場と、Zoomによるオンライン配信とのハイブリッド開催

会場:万世橋区民館(先着10名、会員限定) JR秋葉原駅電気街口から徒歩3分

参加費:がんサバネット会員無料 非会員2,000円

プログラム

第1部 基調講演  清水研さん(がん研有明病院腫瘍精神科部長) 「それぞれの春の迎え方、過ごし方」

第2部 座談会 <進行 高橋 都さん>

清水研さん :医療者の観点から

  西村詠子さん:遺族・支援者・がん経験者の観点から

  中村智志さん:日本対がん協会で学んだ支援や社会に対する観点から

  前川育さん :がん経験者・遺族の観点から

  秋山美紀さん:コミュニティヘルス・がん経験者の観点から

  村本高史さん:がん経験者・企業内支援者の観点から

■■ 4. 「ありがとうブック」がんサバネット寄付サイト開設のお知らせ

このたび、非営利団体への寄付サイト「ありがとうブック」を通じて、古本などをがんサバネットにご寄付いただけるしくみができあがりました。古本をはじめ、さまざまなアイテムを「ありがとうブック」にお送りいただくと、その収益ががんサバネットに寄付されます。年度末は断捨離の季節。その段ボールで、がんサバネットを応援してください!

「ありがとうブック」がんサバネットページ

https://www.39book.jp/supporter/5821/

「ありがとうブック」の活動についてはこちら↓

https://www.39book.jp/about/

【配信元】—————————–

※当メーリングリストは事務局のみ配信可能となっております。(返信はできません。)

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公式サイト https://jcsurvivorship.net/

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問い合わせ先  事務局アドレス