がんを経験してからの旅の楽しみの1つは、サバイバー仲間の地元を訪れて一緒に過ごす温かい時間にあります。

2018年9月、西村和佳子さんのお招きを受け、宮城県石巻市にお邪魔しました。講演の機会を頂いた上、夜は医療者や支援者の先生方を交えた楽しい懇親、空いた時間には石巻市内や女川町を訪れました。写真は訪問2日目、石巻の街を見下ろす日和山公園で、西村さん、秋田から駆けつけてくれた田島好子さんと一緒に撮りました。震災の日、地元の皆さんが一夜を過ごした公園からは穏やかな風景が見えたものの、あの夜はどんなに不安だったことだろうと思いを巡らせました。

その日は当地の患者サロン「日和山カフェ」でサバイバーや家族の皆さんと語り合いました。被災者の方々の心持ちと通じるような皆さんのお話を伺いながら、当事者の気持ちに寄り添うことの大切さを改めて実感した旅になりました。

(村本高史)