
2025年3月15日、設立4周年記念フォーラム「時代が回るその中で~時が癒してくれるもの、くれないもの~」を開催しました。


当日はハイブリッド開催の東京都港区「ういケアみなと」の会場に、基調講演者としてご自身もがんを罹患された「がんを生きる緩和ケア医」、大橋洋平さんをお迎えしました。
大橋さんからは罹患後の推移に沿ってお話頂く中。特に転移判明後の突き落とされたようなショックから現在提唱されている「足し算命」の境地にたどり着くまでの心持ちの変化を、医療者の視点と患者の視点を行き来しながら詳しくお話頂きました。
一日一日減っていくし、そもそもわからない「余命」ではなく、起点の日から一日一日を足していく「足し算」で命を考えていくこと。親しみやすい語り口の中、「わからないものは放っておく」、「『今日』に目を向ける」、「目標が叶ったら次の目標を決める」等、「足し算命」の上での重要なポイントも紹介頂き、度々起こる笑いも交えつつ参加者が大いに頷ける基調講演となりました。




引き続き行われた座談会では、大橋さんに加えて、がん経験者でがんサバネット会員の上野創さんと藤田理代さん、がんサバネット副代表理事の村本高史さんが参加し、それぞれの視点から時の移ろいの中で変わったこと、変わらないこと等を語り合いました。
全体進行を務めた代表理事の高橋都さんは前半から大橋洋平さんの投げかけに引き込まれ、フォーラム全体を通じ、「いつの時代も変わらない苦悩があること」、「『徐々に』や『少しずつ』の大切さ」、「癒され方には様々な形がある一方で癒されない痛切な気持ちの時こそ誰かに頼るべきこと」等々の発言も出て、楽しくも奥深い一日となりました。