
開催記録
2025年5月14日(水)夜7時から、オンラインイベント「言葉から立ち上る力をVol.5 がんサバネット春の句会」を開催しました。昨年7月に初めて開催した「夏の句会」が大好評で、「季節を変えてまたやりたい!」という声が多く寄せられたため、企画したものです。講師として昨年に引き続き、俳人の野崎海芋さんをお招きしました。


当日は、会員・一般あわせて20名ほどが参加。まず第一部では、野崎さんから、俳句というものを理解する入口として「季語とはなにか」のお話がありました。
私たちを取り巻く世界や生活の変化につれて、季語も増え、変化していること。そして、先人から受け継いできた言葉というカプセルの中にみんなが共通して抱いているイメージがぎゅっと閉じ込められていること。なので、俳句とは、言葉が持つ元々の力を借りる「謙虚さを持った詩である」というお話が、とても印象的でした。
続いて、事前に寄せられた三十八もの句から、海芋選として、特選三句、並選九句が発表されました。

【特選】
- 背伸びする届かぬ先に梅一輪 やのか草
- 花冷えや東天紅鶏の長き聲 めろん
- 瀬戸内の海辺のさくら妻想う 潤一郎
【並選】
- 球春の始まり告げるホームラン 久美子
- 賑わい芳し町家のひな祭り めろん
- LINEした一番桜既読なし ミサ
- ふきのとう酢味噌和えつつ酒えらび 玲子
- 人波をわけてみとれる枝垂れ梅 久美子
- 泣いていい涙こぼれてネモフィラ化 ひろみ
- 桜撮る未来の自分へ出す手紙 ミサ
- 芽立時いのちはゆるり開きゆく やのか草
- 葉桜に酒振り掛けていとをしむ 潤一郎
休憩をはさんだ第二部では、選外も含めて、ひとつひとつの句の講評がありました。情景がありありと浮かぶ句、思わず「わかるわかる」と言いたくなるような句。作者から「これはこんな場面を詠んだ句です」という説明をきいて、その方の<そのとき>を想像し、共有する時間でした。
アンケートでは、
「日本の豊かな文化や四季があることの有り難さを感じました」
「旅先で美しい風景に出会うと、絵が描けたらいいな、でも下手だからと諦めていましたが、俳句で切り取ることも出来るのでは」
「本当に学ぶことが盛りだくさんで聞き入ってしまいました」
「”季語”は味方、誰もが共通認識できる、自然の力を使ってのびのびと世界を広げられることを知りました」
「皆さんの俳句を拝見し、短い言葉で、その映像が生き生きと浮かびました」
などの感想が寄せられました。
がんサバネットオンライン句会、次は秋か冬ですね。次回はぜひ、あなたの一句をお寄せください!